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技能実習を受け入れてきた建設会社が、育成就労で見落とす4つの違い

テーマ:外国人材の受入れ支援
30秒で結論

育成就労は技能実習の延長ではありません。建設会社が見落としやすい違いは4つです。①技能実習の監理団体は自動では育成就労の監理支援機関になれず、あらためて許可が必要(許可申請は2026年4月15日から)。②本人の意向による転籍が認められ、建設は2年経過後が対象になる。③CCUSへの登録が実施者・本人の双方に求められる(国土交通省告示第784号・2026年6月23日公布)。④報酬は日本人と同等額以上を安定的に支払い、就労期間に応じた昇給が求められる。受入人数枠は常勤職員数を基準とし、優良基準に適合すれば約2倍、優良な監理支援機関の支援を受け指定区域に該当すれば最大約3倍まで拡大します。

「技能実習の名前が変わるだけでしょう。今までどおり組合さんに任せます」

この理解で進めると、途中で止まります。育成就労は技能実習の延長ではなく、受入企業に求められるものが増えた別の制度です。建設に絞って、外れやすい4点を挙げます。

① 監理団体は、自動では監理支援機関になりません

いちばん多い見落としがここです。

技能実習の監理団体だからといって、当然に育成就労の監理支援機関へ移行できるわけではありません。あらためて許可を受ける必要があります。その許可申請は2026年4月15日から始まっています。

御社側の準備がどれだけ進んでいても、組んでいる先が許可を取っていなければ受け入れは成立しません。「うちは申請済みですか。いつ出す予定ですか」——この確認を、今月中に一度入れておいてください。返事が曖昧なら、それ自体が情報です。

② 「転籍される」前提の制度になりました

技能実習では、原則として実習先を変えることは想定されていませんでした。育成就労では、一定期間が過ぎれば本人の意向による転籍が認められます。

建設の転籍制限期間は2年です(2026年1月23日 閣議決定の分野別運用方針)。1年の分野が多いなかで、建設は長いほうに入っています。

ただし、この2年は無条件ではありません。1年を超える制限を選ぶ会社には、分野別協議会が毎年公表する昇給率で2年目の所定内賃金を上げる義務が付きます。詳しくは建設の転籍制限「2年」は、昇給とセットですに書きました。

転籍には本人側の要件もあります。同一の機関で一定期間就労していること、日本語能力がA1相当以上(日本語能力試験N5等)であること、技能検定基礎級または育成就労評価試験に合格していること、転籍先が優良な育成就労実施者であること——といった条件です。誰でもいつでも移れる制度ではありませんが、「移れる制度になった」ことは前提として置いてください。

会社側の打ち手は、拘束を強めることではありません。2年目までに「ここにいたほうが得だ」と本人が判断できる状態を作れているかどうかです。

③ CCUS登録が要件に入ります

2026年6月23日に公布された国土交通省告示第784号で、建設分野の育成就労の基準が定められました(適用は2027年4月1日)。そこには建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が含まれています。実施者(会社)と本人の双方です。

特定技能「建設」ではすでに必須になっているので、特定技能で受け入れている会社にとっては継続の話です。一方、技能実習だけで来た会社にとっては新しい負担になります。

事業者登録そのものは重い作業ではありません。きついのは技能者の登録と、現場での就業履歴を貯め続ける運用のほうです。ここは慣れるまで時間がかかるので、申請の直前に思い出すのでは間に合いません。

④ 賃金が「安定的な支払い+昇給」で縛られます

告示第784号では、日本人と同等額以上を安定的に支払うこと、そして就労期間に応じた昇給その他の待遇の向上が挙げられています。

技能実習の感覚のまま日給月給で受け入れると、ここで説明が詰まります。雨で現場が止まった月だけ支給額が下がる形は、「安定的な支払い」として説明しづらく、2年目の昇給を約束する土台にもなりません。

なお、特定技能「建設」では月給制が明確な要件です。育成就労から特定技能1号へ進む道筋を前提にするなら、どのみち月給制に寄せる必要があります。育成就労の準備を、賃金の形を直す機会として使うほうが結果的に早く済みます。

賃金規程・就業規則の改定は社会保険労務士の業務です。当社が窓口となり、中峯社労士事務所と連携して進めます。

補足:受け入れられる人数の考え方

人数枠の基本は技能実習と同じで、常勤職員数を基準に上限が決まります。常勤職員300人以下は区分ごとの人数表、301人以上は割合で算出する形です。

そのうえで、優良基準に適合すれば枠は約2倍、優良な監理支援機関の支援を受けて指定区域に該当する場合は最大約3倍まで拡大する仕組みが示されています。

まずやることは単純です。自社の常勤職員数を正確に数えること。ここが曖昧なまま話を進めても、計画に書けません。

まとめ

  • 技能実習の監理団体は、自動では監理支援機関にならない。組んでいる先の許可状況を今月中に確認する
  • 転籍がある前提の制度になった。建設は2年だが、2年を選ぶには2年目の昇給が要る
  • CCUS登録が要件に入る(実施者・本人の双方/告示第784号)。運用に慣れる時間を見込む
  • 報酬は「日本人と同等額以上を安定的に」+「就労期間に応じた昇給」。日給月給のままでは説明が立たない
  • 人数枠は常勤職員数が基準。優良で約2倍、条件がそろえば最大約3倍

申請のスケジュールと着手の順番は育成就労の申請は2026年9月1日から始まりますに整理しました。

当社は人材のご紹介も派遣も行いません。ですので「間に合わなくなりますよ」と急かして契約を取る動機がありません。今いる技能実習生の在留期限を一覧にして、誰がいつ判断を迎えるかを洗い出す——まずそこだけでも、一緒にやりましょう。相談だけで終わっても構いません。

外国人材の受入れ支援に、受入れの全体像と費用感をまとめています。

よくあるご質問

その監理団体が監理支援機関の許可を取ることが前提になります。技能実習の監理団体だからといって自動的に移行できるわけではありません。許可申請は2026年4月15日から始まっているので、申請済みかどうか、いつ出す予定かを確認してください。ここが空くと、御社の準備が万全でも受け入れが進みません。
建設は転籍制限が2年と長いほうの分野です。ただし2年を選ぶには、分野別協議会が公表する昇給率で2年目の賃金を上げる必要があります。損得は「2年で回収できる初期投資に抑えられるか」と「2年目に払える金額を作れるか」の2点で決まります。感情ではなく実額で判断してください。
事業者登録だけでは足りない場面があります。建設分野の基準では実施者と本人の双方の登録が求められています。技能者としての登録と、現場での就業履歴の蓄積まで含めて運用できている状態を目指してください。申請の直前に慌てて整えるのは難しい部分です。
基本の考え方は技能実習と同じで、常勤職員数を基準に上限が決まります。優良基準に適合すれば約2倍、さらに優良な監理支援機関の支援を受けて指定区域に該当する場合は最大約3倍まで拡大する仕組みが示されています。まず自社の常勤職員数を正確に数えるところからです。
制度が切り替わった日に在留中の方がいなくなるわけではありません。ただし在留期限や区分によって判断の時期が人ごとに違います。今いる人の在留期限を一覧にして、誰がいつ判断を迎えるかを先に洗い出してください。ここが遅れると、気づいたときに全員分の手続きが同時に来ます。

「うちの場合、費用と期間はどうなる?」

要件・費用・期間は、会社の状況で変わります。建設業許可やCCUS、月給制への切り替えを含めて、御社の現状から順番を整理します。ご相談は無料です。

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